歯ブラシの名称の歴史

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歯ブラシの名称の歴史

明治初期に、西洋からもたらされた西洋歯ブラシを模倣した、「鯨楊枝」と名付けられた用具が登場しました。これまで歯の清掃は楊枝で行なってきていたため、「歯ブラシ」と言う名称は使われることはありませんでしたが、現代の歯ブラシとほぼ変わらない形態でした。そのほかにも「横楊枝(西洋式)」「歯楊枝」「歯磨楊枝」と呼ばれていました。
記録には、明治14年の博覧会にはじめて「横楊枝(西洋式)」が出品されたとありますが、ほとんど関心は持たれずに終わったようです。明治23年の博覧会に大阪の会社が「歯刷子(はぶらし)」の名称で出品をすると、ようやく関心を持たれるようになりました。この時はじめて「歯刷子」という名称が使われたと言われています。この博覧会には、「楊枝」として何点か牛骨や象牙などでつくられた口腔清掃用具が出品されていましたが、次の博覧会では「歯刷子」の名称で数多く出品され、「房楊枝」の出品は1つも見られませんでした。
なぜ「歯刷子」と表記されるようになったかと言うと、「ブラシがそれまで刷毛をつくっていた業者によって作られるようになったから」や、「刷毛と同じように自然毛(獣毛)を植毛したことから、当て字で「刷子」と書くようになったから」など諸説ありますが、定かではありません。
大正初期には、商品名としてはじめて「歯刷子」の名称で、牛骨の柄に豚毛を植毛した舌かき付きの商品が発売されました。このころから「歯刷子」の呼び名は一般的になりましたが、「歯ブラシ」と書かれるようになるのは戦後になってからになります。

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